営業なら知っておくべき債権管理業務:経理担当の苦労も合わせて解説!

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営業ってバックオフィスの業務を学ぶ機会ってあまりないですよね。

この記事は以下のような人におすすめ!

  • 債権管理って何か知りたい…
  • 営業の前後工程の業務を知りたい
  • 入金消込って何か知りたい…
  • 経理が何をやっているか知っておきたい…

この記事を書いている私は、前職で、15年経理部門を対象にした債権管理業務に特化したシステムを販売する会社でフロント営業、マネージャー、事業部長、取締役を経験し、業種業態問わず約3,000社程の経理の方とお話をした経験があります。いわば債権管理、入金消込博士です。

債権管理や入金管理は、基本的に経理部門や営業業務部門で行う業務ですが、営業部門とは密接に関係してます。

バックオフィス業務に位置づけされるものの俯瞰してみると、販売業務と経理業務の丁度中間あたりに位置し、言わば営業の前後工程の業務です。

営業は、日々の売上をつくる事を目的としバックオフィスについてあまり学ぶ機会はないとは思いますが、営業と密接に関係する債権管理業務は知っておいて損はありません。

いやむしろ知っておくべきだと考えています。

知っておけば、自分の仕事が会社のどのあたりに位置づけされて、自分の動き方ひとつで経理担当の仕事量にも影響する事があります。

なによりバックオフィスで働く人の気持ちが分かって動けているかどうかは、経理の人から見れば一目瞭然だったりします。「できる人」は概ね理解しています。

ここでは、営業の方向けにかなり凝縮したかたちで債権管理業務を解説します。

債権管理業務を理解する事で、必ずや日々の営業活動によい影響がでると思います。

目次

債権管理業務ってそもそもなに?

ここでは、債権管理とは何かその概要を解説します。

まず「債権」とは、ざっくりいうと「要求できる権利」です。商品を販売して納品したら、代金を要求できる権がありますよね。

いろいろな契約のかたちがありますがここでは、分かりやすくサービスを提供したり納品したりした時にお金を要求できる権利と理解してください。

次の言葉「管理」とはなんでしょうか。自分が新人の頃「管理」という言葉がとてもあやふやで理解しづらかったです。

ここで「管理」とはPDCA(計画、実行、評価、改善)だと考えて差し支えありません。

債権管理
債権管理業務の全体像

上記が債権管理の全体像となります。まずは、この全体を統制していく事が債権管理だと理解すれば良いです。

与信管理についてここでは触れませんが、自社だと誰が行っているか考えてみると腹落ちしやすいです。簡単にいうと支払い能力がある会社か確認する行為の事です。

債権管理がなぜ大切なのか?

債権管理が大切な理由は、サービスを提供したり納品したりして、お金をいただけなかったら事業を継続する資金がいずれなくなってしまい倒産してしまうからです。

とても大切ですよね。

例えば、利益率10%、100万円(利益は10万円)の商品を販売していたとして、100万円の代金を顧客からもらえなかったら、1,000万円の営業努力が無駄になった事とある意味同じ事です。

つまり、1件お金がもらえなかったら同じ商品なら会社として10件売らないといけなくなってしまうという事です。

考えただけでも苦しいですよね。

えっ!?普通お客さんはお金を払ってくれるものじゃないの?と思う方もいるかもしれません。実はそうでもないのです。

しっかり管理したら数億円のお金を回収できていなかった事が判明したという顧客がいました。お金が支払われない理由は様々ですが、いくつか例を上げると…

  • 顧客の検収(納品されたものが問題ないか確認する作業)漏れ
  • 出荷日と着荷日のズレ
  • 間違い(ヒューマンエラー)
  • 支払能力がない

など、たくさん取引先がある企業や取引量が多い企業ほど確認する作業は多くなりミスも発生します。

しっかりと、いくら要求できる権利をもっていて、いくら支払われているのかを管理して不足分はこちらから代金を回収しにいかないと大変な事になってしまいます。

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債権管理、大切!

「債権回収業務」について解説

債権管理業務とは、そのままですが債権を回収する業務のことです。

債権管理の中で特に大切なのが、回収業務です。回収業務とは、ちゃんと要求(請求)した通りにお金を払ってくれているかを確認する業務です。

支払っていない場合は督促(支払われるように催促する行為)が必要になります。

ここで忘れてはいけないのは、相手はお客様であるという点です。

仮に間違って督促してしまったら、お客様は、支払ったお金を支払っていないと疑惑をかけらてる事になるので、いい気分の人はいませんよね。

営業がせっかく関係構築をした大切な取引先の信用に傷をつけてしまう可能性を秘めています。

債権回収業務の全体の流れは、以下の通りです。

債権回収
債権回収業務の全体像

債権回収業務の経理部の苦労3選

間違うと大変な事になりミスの許されない債権回収業務、ここでは、営業からはなかなか見えづらい、経理部門の苦労を解説します。

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経理担当の気持ち知ってみよう!

苦労①  請求と入金の照合が大変

正しく代金が支払われたかを確認するためには、当たり前ですがどの顧客にいくら請求して、実際にいくら入ってきたのか照合する必要があります。

取引先の多い企業は請求書の枚数も多くその分大変になります。

今だとEXCELで簡単にできるんじゃないの?と思われるかもしれません。そうでもないのです。

その理由は、金額が違いしっかり照合できないケースが多々発生するからです。いくつかパターンがありますので例を紹介します。

  • 請求書を複数まとめて振り込みしてきた
  • 振り込み手数料を差し引いて振り込みしてきた
  • 同一社名の取引先が複数ある
  • 値引きが経理に伝わっていない

などです。銀行からデータを取得すると、ざっくり日付と金額と会社名のカタカナの情報しかありません。(銀行の通帳のイメージです)

その情報と自社の送付した請求書を順不同で照合をする必要があります。

想像しただけで嫌になりますよね。経理担当はこういった事で、金額が一致せず日々頭を悩ませています。

苦労② 間違って督促したら大変

記事を読まれている方の中にも経理担当から連絡をもらい、顧客に入金確認をした事がある営業の方もいると思います。

正直ちょっと嫌な仕事ですよね。もし、照合にミスがあってお客様は支払いしている認識だとすると…。怒られそうです。

怒られだけならまだしも、とある会社では、「社長呼んでこい!」と言われたそうです。

だからこそ、入金の照合はミスができないのです。経理担当は日々ミスのないように緊張感の中作業をしています。

苦労③ 入金が月末に集中して大変

日本の商習慣だと支払条件が「月末締めの翌月末払い」など、基本的に月末に入金が多く集中します。

5の倍数の日など取引量が多く意図的に分散している業種もありますが、サービス業などはどうしても月末の入金が多くなります。

経理の方が、月末に残業している訳です。

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経理担当のあの子はこんなにも大変だったのか…

まとめ:営業なら知っておくべき債権管理業務

というわけで、今回営業も知っておきたい債権管理業務という事で、債権管理業務の全体像やその中身である債権回収業務について、経理担当の苦労を解説しました。

本記事の要約

  1. 「債権管理業務」とはそもそもなんなのか?
    • 代金を回収する権利を管理統制する業務!
  2. 債権管理がなぜ大切なのか?
    • しっかり行わないと資金繰りを悪化させてしまう!
  3. 債権回収業務の経理部の苦労3選
    • 苦労①  請求と入金の照合が大変
    • 苦労② 間違って督促したら大変
    • 苦労③ 月末に入金が集中して大変

債権管理が大切であること、販売業務に密接な業務であること、バックオフィスでの経理担当者の苦労が理解できたと思います。

業務全体を俯瞰して、仕事ができるとより動きも無駄がなくなると思います。また、経理担当とは仲良くやっていきたいですよね。

けんめい

日々の活動にお役立ていただければ嬉しいです

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