DAOって何?DAOという新しい組織形態について解説!
最近たまに耳にする「DAO」ってなんなん?
この記事は以下のような人におすすめです!
- DAOとは何か知りたい!
- 日本のDAOの実例が知りたい!
DAOとは何か?
最近、仮想通貨界隈で新しい概念としてよく聞くDAO、このDAOとは何なのか。
DAOとはDecentralized Autonomous Organizationの略のことになります。
分解すると…
- Decentralized (分散型(De-centralized中央集権ではない))
- Autonomous (自律性がある)
- Organization(組織)
やはり意味ちょっとよくわからないですよね。調べてみても、「DAOはメタバースの構成要素であり、NFTがアイデンティを構成する・・・」とか出てきました。むつかしすぎる…。
もう少し因数分解していければと思います。まずDAOはイーサリアム創設者のヴィタリック氏が考えた概念でフラットな組織のようなイメージです。「株式会社」と比較していくとイメージがしやすいかもしれません。
株式会社は意思決定が経営陣(リーダー)によってなされますが、DAOでは投票によってなされるイメージです。投票はトークンの保有数によって発言権の強弱が変わります。
「株式会社」におきかえると51%以上株式を保有していたら支配権といったイメージに近いですね。DAOは株式(トークン)を保有している人がたくさんいて株式(トークン)の保有量に応じて発言権があるといった感じです。
一般的な組織は、ピラミッド型のイメージ、DAOは分散してフラットでいるイメージですね。最近では、仮想通貨取引サービスを提供しているシェイプシフト社は会社を清算し運用をDAO化した。というニュースを見ました。
このように新しい組織運営のかたちが生まれてきています。今までもこういった概念はありましたがなぜ仮想通貨と一緒にまた言われてきたかというと改ざんができない、監視し合うことができるといったブロックチェーンの技術で実行可能性が高まったからです。
縄文時代も村の掟を作りフラットに生きていたらしいのですが、村の掟を隠れて破る事もできるし、村の掟を改ざんすることもできてしまうため成立させるのはむつかしかったみたいですね。その後、弥生時代では司令等のいる村になったそうです。
令和時代になり時を超えてブロックチェーンで縄文時代の村社会の問題点が解決されそう(まだ社会実装できてはいませんが試せるようになったの)です。
ごちゃちゃと言いましたが、ざっくりとDAOとは「ブロックチェーンを活用したリーダーがいない組織」とイメージするとわかりやすいと思います。
イメージは下図です。右側がDAO型の組織です。
DAOの特徴としては以下のあたりをおさえておけばよいかと思います。
- 階層構造ではない(フラットである)
- スマートコントラクト(ルールに従って自動実行されるプログラム)によって管理、実行される
- 透明性が高い
- 民主的である
- オープンにアクセスできる
- ガバナンストークン(意思決定に影響できる投票機能が付与されているトークン)で構築する
DAOトークンの一覧はこちら(別ページCoinMarketCapへ遷移します)でみれます。Uniswap、Aave、Compoundが有名です。
抑えておきたいDAO関連ニュース
THE DAO事件
THE DAO事件とは約360ETH(約52億円)が、ハッカーに盗まれた事件のことです。THE DAOは投資先を参加者の投票で決めて利益がでれば分配するといったプロジェクトの名称。このTHE DAOには投資家が預けている資金を切り離す事ができるスプリットという機能がありましたがここにバグがあり、当時の価格にして約52億が盗まれました。興味のある方は調べてみると面白いと思います。
米国の州政府が初めてDAOを合法化
米国のワイオミング州知事が2021年4月21日にDAOに関する法案に署名をしました。DAOについては、現在アメリカで議論が活発に行われているようです。税金はどうするのか。犯罪がおきた時に法的責任の所在はどうなるのか。などなど。
しかし、流石テクノロジーの本場アメリカ。ワイオミング州(有限責任会社LLCの設立を最初に承認した州)では、DAOになる方法とそのメンバーの権利と義務を定義しLLCが組織約款(組織の取り決め記載した書面)を修正する事でDAOに変換する事を可能としています。早い!日本はDAOは可能になるのか。。
日本語コミュニティ Ninja DAO
NinjaDAOという日本のインフルエンサーイケダハヤト氏が運営しているDAO型の組織があります。NFTであるCryptoNinjaを応援したり、販売したりする事が可能です。日本は仮想通貨関連の関して法律が厳格であるため、どこまで成立するのかはわからないですが、チャレンジングにガバナンストークンを発行すると発表されておりました。
今後どうなるの?
今後は世界中でたくさんのDAOが立ち上がってくると思います。ただ、従来型の組織がなくなるとは思っていません。DAO自体がまだまだふわっとした概念で各国で法律が違うため、各国の進み具合やプロジェクトの発展具合も属地的に異なっていくと思います。
もしかしたらDAOが一般化した国とかがでてくると、現在の株式会社は伝統的で古い組織として扱われていくのかもしれませんね。
どちらにしてもメリデメがあると思うので「経営者がなくなる」だったり「リーダーは不要」「働き方3.0」みたいなキャッチコピーは目を引きますがいまいち自分はしっくりきていません。
でも、選択肢が増えるのはとってもいい事だなと思います。新しい概念を理解する事で、自身の所属組織への理解も深まりますよね。私はピラミッド型組織というよりは役割分担、フラットという考えが昔から好きなのでDAOに魅力を感じています。
今は、コンテンツのプラットフォーマー(YoutubeやTwitterなど)でいかに活躍しても提供会社の株式を得られる訳ではないですので、どんだけプラットフォームに貢献しても中央にいる人が巨額の利益を得るという結果になります。ベンチャー企業で働いている人も上場した場合、富を手にするのは未上場時に株式を持っていた人です。
今後、こういったところに問題意識を持ち、プラットフォームやプロジェクトへの貢献度に応じてトークン(投票権)が得られたりする仕組みができてくると思います。
例えば、YoutubeであればPV数に応じてトークンが配布され、組織の意思決定に関われたりする世界観になる可能性を秘めています。(※Youtubeは例です。)
現在は、仮に有益なコンテンツを創っても、ある意味、その「プラットフォームの価値向上のための労働」ともとれる訳なので、そういった歪みがなくなっていく世界もできてくると思います。
未来を見据えて自社でも考え方や運営を積極的に取り入れていきたいなと思います。
まとめ
今回は、DAOについてその概要をざっくりご説明しました。
- DAOとは何か?
自律分散型組織DAOについて、株式会社との違いを説明 - 抑えておきたいDAO関連ニュース
- THE DAO事件
- 米国の州政府が初めてDAOを合法化
- 日本語コミュニティ Ninja DAO
- 今後どうなるの?